過去の秘箱
帰宅すると、妹の詩織がDSゲームに夢中になっていた。
下田詩織、小学5年生。
沙織は洗濯物を取り入れ、掃除機をかけ、食事の支度と…家事をてきぱきとこなしていく。
「詩織、ゲームばっかしてないで、早く宿題しなさいよ!」
「もぉ~うるさいな~ちょっと待ってよ~今いいとこなんだから~」
暫くすると、父親が帰って来た、大柄な男だった、近くの小さな木工所で、家具を作る職人をしている。
沙織の作った料理をツマミに、晩酌するのが日課だった。
晩酌と言っても…かなりの大酒飲み、ビールから始まり、日本酒は毎日、一升近く飲む酒豪だった。