ね、先生。
 
「・・・ゴホゴホッ。ゴホッ。」


 ・・・pipipi・・


電子音が終わりを告げる。


「ほら、貸して。
 ・・・あら、9度超えてるじゃない。 咳もひどいし、午前中に病院行きましょ。」

「う、うん、、。」


翌日、私は熱を出した。




「もうね、お風呂に長時間入ってるからよっ!
 病院の時間になったら起こすから、しばらく寝ておきなさい。」

「はーい・・・。」

「あぁ、学校にも電話しなくっちゃ、、」


 ・・・バタン。


お母さんにブツブツ文句を言われる事より、

今は、

学校に行けないことが、休める理由が出来た事が、私には都合良かった。


そして、

熱に犯されてボーっとした頭が、

私に先生の事を考えることを止め、少し余裕を生んでくれる。




「・・・はぁぁ~・・。」


少し大きめの息を吐き、私は静かに瞳を閉じた―。

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