ね、先生。
「よいしょっと・・・」


ジャージに着替えて、テニスシューズの紐をキツく結んで、ラケットを握りしめ、私は立ち上がった。


「・・・眩しい・・。」


強い日差しの中、顔を腕で隠し、テニスコートへと向かう。





みんなが集まった所で、


「みんな、ちょっと集まって~!」


部長の真鍋先輩がテニスコートのすみへとみんなを集める。
そして、夏休みのスケジュールを言い始めた。


「明日からの夏休みでの日程なんだけど・・・
 まず、朝は朝練が月・水・金。 これは自由参加で。 昼からはいちお月曜から金曜の毎日、13時~3時間程度予定してる。
 来れない人は、前もって連絡下さい。

 あぁ、3年は今度の大会で引退になるから全員参加ね!」


「そして。」


「7月末の28・29日。 合宿を行います。
 この日は朝9時集合ね。
 28日の夜は、花火に肝試しもやるから。
 全員参加としたいけど、親の承諾書が必要だから、今から配るから提出は渡部先生に・・・」



配られる承諾書を受け取ってると、


「桜井さんは参加する?」


沢田くんが話しかけてくる。


「うー、うん。親に聞いてからだけどね。沢田くんは?」

「桜井さんが参加するなら、もちろんっ」

「・・・。」


沢田くんの笑顔に、私は引きつった笑顔でしか返せなかった。
< 138 / 278 >

この作品をシェア

pagetop