ね、先生。
合宿 -境界線-
「はーぃ、ゴール。 タイムは・・・」


オレは嫌がる田中の手を引っ張って、足早にゴールしてた。そして、タイムを計る係りを変わり、


「次、最後のペア!」

「はーい。 行ってきます!」

「あぁ、真鍋か。 2度もお疲れさんっ!」


最後のペアとなる、2度目の真鍋の出発を見送った。



次々とゴールする生徒が集まってる周りを見渡し、ふと葵がいないことに気付く・・・。



3年の上田に聞く。


「後何人だ?帰ってきてないの?」

「えーっと、、12までは帰ってきてるんですけど、13番が遅いっすねー。」

「13番って?」

「あぁ、、1年の沢田と桜井っす。」

「スタートしてどれぐらい経つ?」

「ん~・・・、もう10分は。
 みんな罰がイヤみたいで、今回走って帰ってきてるみたいなんですけど、10分もあればそろそろ歩いても出来ると思うんですけどー。」

「・・・そうだな・・。」



―・・・沢田。

彼の名前を聞いて、オレの中で、少し嫌な胸騒ぎがした。
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