ね、先生。
1時間目は、情報処理の授業だった。

今日。
この前のテストが返される日だった。



  ・・・ガラーッ

渡部先生が教室に険しい顔で、採点された答案らしきものを抱えて教室に入ってくる。


「起立、礼、着席!」


議長の声に合わせてみんなが挨拶して、席につくと、


「今から答案を返す!」

厳しい口調で授業は始まった―。


「名前を呼ばれたものは、前に取りに来るように!
 じゃ、、赤坂!85点!!」


「「「えっ?!」」」


先生が名前の後に点数を言うことに、みんな一斉に反応する。


「なんだ?あぁ~、点数を言うのがおかしいか?
 恥ずかしいとか思うなら、恥ずかしい点を取るな。
 じゃ、次、井上!82点!」


みんな、頭を抱えながら自分の名前を呼ばれるのを待ってた。



「倉木!78点!」

前の席の里美が呼ばれる。
席は出席番号。 次は私。。。


「葵!83点!」

「・・・はっ?」

私は自分の点数を言われる事より、名前で呼ばれた事に恥ずかしさを感じる。


「せ、先生ッ!!///」

「す、すまん。妹と同じ名前だから・・・。」


私が先生の妹と同じ名前とか、関係ないから!
そんな堂々と人前で名前で呼ぶなちゅーの!!!



答案を先生から奪い取るように受け取り、席に戻ると、


「やっぱ、仲良いじゃん(笑)」

里美が笑って私に聞えるように言った。
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