ね、先生。
 
「なんだよ、コレ。」

先生はすぐにその差し出したものが退部届けだと気付いたようで、キツイ表情に変わる。


「・・・退部届け、書いてきました。」




私の言葉に少し溜息をついてから、


「あのなー、、、
 ラブレターなら、喜んで受け取るよ。こんなもん受け取れるかっ!」


そう言うと、車に鍵をかけ、私を置いて車から去っていく。


「ちょっと待ってよ、先生!!」

「待たねーよ。ラブレターに書き直して来い~。」


先生は振り返らずに、そのまま教師用の下駄箱へと入っていく。




「ラブレターなんて、誰があんな先生に書くの~?!」


私はブツブツ言いながら、職員室へと先回りし、渡部先生の机に退部届けを置いて教室へと戻った。
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