愛玩子猫のしつけ方




いきなりかけられた声に振り返ると………



「………あ…、楡崎先生………。」



またいつかのように楡崎先生が立っていて、綺麗な笑顔で微笑んでいた。



「まだ帰ってなかったのねぇ……?何か用事?」



「………はい。彼に連絡したいんですけど…ケータイの充電切れちゃって……。どうしようかなぁって…」



あたしは苦笑まじりでそう言って楡崎先生を見た。



楡崎先生はちょっと考えるようにして………



「………咲榮学院に私の知り合いが教育実習生として行ってるから……伝えてもらったらどうかしら……?」



「………!」



それは思ってもない提案で………!



「いいんですかっ!?」



あたしはついつい食いついてしまった……。



「えぇ……。可愛い生徒が困ってるんだもの。このくらい任せて?」



先生はにっこり笑うとあたしを見つめた。



「先生、ありがとう!」



あたしは先生を見つめ返して、笑顔で心からお礼を言った。





「………どういたしまして………。」








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