Fahrenheit -華氏-


――――

俺の部屋のベッドはダブルで、瑠華の部屋のものに比べたらだいぶ手狭だ。


だけどおかげさまで理由もなくくっついていられる。


思えば俺が部屋に入れた女は瑠華が始めてで、もちろん寝室にも……


寝室に女を入れることなんてちょっと前の俺には考えられなかった。


特別な女なんて、絶対にできるはずがないと思っていたから。


だからちょっと前までは、瑠華が俺のベッドに横たわっている姿なんて想像もできなかった。


てか、想像はしたんだけどね……でも、何となくそれは不可能かな…って思ってたから…


だからすっげー嬉しい♪


布団から出た瑠華の肩はミルク色をしていて、すべすべとさわり心地が良かった。


終わった後だって言うのに、余韻を味わうかのように俺は彼女の肌に手を這わせている。


こんなこと前なら考えられなかったな…


男ってものは…出すだけ出したら、急に気が抜けるもんだ。


だから終わった後にどっと疲れがクルし、すぐに寝ちまう男が多いのもこういった理由から。


だけど


瑠華とは違う。


いつまでも抱き合っていたいし、終わった後もキスしていたい。


どーしちゃったの!!俺っ。


戸惑い半分、それでもやっぱり幸せが大きい。


そんな夢見心地でいる俺の腕の中で、瑠華が口を開いた。


「体の相性ってやっぱりあるもんですね」


「え?それってどういう……」


もしかして…ってか、今まであんまりどーだったか聞いてないけど



もしかして、もしかして!!



俺って下手!!?









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