月影
「あぁ、そこは現在進行形であってる。が、そのあとのこの文は、現在完了形が正解だ」

「え、うそ」

「ここの文章で…」

食事を終えて、しばらく部屋で勉強をしていたのだが、政宗が部屋にやってきて本を読みだしたので、暇なんだったら勉強を教えてとお願いし、今は英語を教えてもらっていた。

「あ、そっか。なるほど」

ノートにカリカリとシャーペンで英文を書き込んでいると、ふと、政宗が笑った。

「なに?」

「いや、もうお前も大学受験の歳なんだなと思って」

いきなり何を言い出すのかと、深幸は冷めた視線を送った。

「大人になったな、深幸も」

どこの親戚のおじさんだよ、と思いながら、深幸はまだ養ってもらってる身だけどね、と答えた。

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