月影
「あ、芽衣!こっちこっち。ごめんね、急に」

深幸が言うと、芽衣は笑って構わないよ、と答えた。

「私、ばっちりこの日の為に、青柳玲子のこと、調べてきといたから!」

目をキラキラと輝かせながら言う芽衣に、深幸は首を傾げた。

「は?なんで?」

不思議そうに聞く深幸に、芽衣はため息をつきながら答えた。

「もう、深幸ってば…せっかくのチャンスなんだもん。この際、あの二人の関係をはっきりとさせておきたいでしょ?」

芽衣に言われて、深幸は慌てて首を振った。

「えぇ⁉いや、いいよいいよ!だってそれに、なんか聞きにくいじゃん!」

「なに言ってんのよ!あんたも気になってんでしょーが」

深幸は答えに詰まった。
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