月影
すでに暗くなった夜道を、政宗と二人で歩いて帰る。と、歩道をかなりのスピードを出して走る自転車が深幸のそばを通り過ぎて行った。
危うくぶつかりそうだった所を、政宗が咄嗟に、深幸の手を引いて、無事でいられた。

「ありがとう」

素直にお礼を言う深幸に、政宗は気にするな、と微笑んだ。

「こうして歩くのも久しぶりだな」

政宗に言われて、深幸は首を傾げた。

「そう？コンビニに買い物とか、よく一緒に行ってるじゃん」

基本的に、誰かと出かけるので無い場合に、政宗も予定がない時は、大抵一緒についてくる。
なので、こうして一緒に出かけることが少ないわけではない。

「そうだな」

言って、政宗はまた、微笑んだ。
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