ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎駿



「俺、昔はかなり適当な奴だったからさ。」

「適当?」

「遊んでたってこと。で、リョウがめんどくさくなって、捨てたんだ。」





過去の話なんて、優衣にはしたくなかったな…。




自分で振り返っても最低だと思うし。




でもまぁ…人を傷つけてきた代償、だな。





「なんでわざわざ高校に再入学したんだよ?」

「それはわかんねぇ。」

「駿を取り返すって?」

「俺が他の女に取られたと思ってんだ。優衣にってわけじゃなく。」

「なんでヤンキー校に…。」

「あぁー…多分、俺が『強い女しか認めない』って言ったから…ケンカのことだと思ったんじゃね?」

「ただのバカか…。」





それから、しばらく沈黙。





「あたしは…別れたくない…。あんな奴の言いなりなんて御免だね。」

「優衣…。」

「あたしはあたしの好きな人と好きなときに居るんだ。」





いつもの優衣が笑ってた。




マジ…優衣で良かった。



やっぱり好きだ。






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