ヤンキー彼女とヤクザ彼氏
◎優衣



ハルが過去になにかあるかもってのは前に思ったことがある。




だけど、こんな風に知るとはな…。




しかもこんな…。





「駿、あと…さっき話した通りだと…仕掛けたのは…」

「リョウだな。ほぼ確実。」





だよな。




許さない。





人の過去は…勝手に使っていいもんじゃない。





「…俺、ちょっとハル見てくる。」





宇佐が部屋を出て行った。




「俺は…優衣に感謝してる。ハルを戻したのはお前だ。」

「だけど、あたしはハルを助けれなかった。」

「なにも知らなかったし、ハルがいきなりああなって驚いたんだから仕方ねぇ。自分を責めるな。」





駿はそっと手を伸ばして、頭を撫でてくれた。




でも駿だって辛いんだよな…。




あたしも手を伸ばして駿の頭を撫でた。





「優衣!?」

「駿はいつもこうしてくれる。辛いときも。」

「はは!!なんだよ、それ!!」





駿がちゃんと笑った…。




安心。





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