SugarⅡ


あぁ、つかれた。


「はぁー…」



学校が終わって、1人で歩いている帰り道。1人でいると、色々考えてしまう。



学校では明るい自分を演じ、ネガティブな発言はしない。そうやって、ずっと過ごしてきたから、もう慣れてしまった。



ほんとの自分じゃない自分にも、本音を言えない自分にも。




慣れているから、今更辛いとか思わないけど…



あたし今、すっごく泣きそうだ。




理由は分からない。


分からないけど、泣きそう。



こんな道端で泣いたら、確実に可哀想な子だよね。耐えろ、あたし。




「美海ー」



零れそうな涙をこらえたとき、後ろから走ってくる足音と、聞き慣れた声が聞こえた。




その瞬間に、目から雫がポタリと落ちる。



「もー、待ってろって言ったじゃん、美海。」



能天気な涼の声を聞くと、何だか我慢できなくなってしまった。




「涼…っ」



振り返って、走ってきていた涼に抱きつく。息が乱れていて、急いできてくれたことが分かった。



「美海…?」



あたしの背中に涼の腕が回って、抱き締められた。あたしもギュッと抱きつく。


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