悪魔的ドクター
あたしは急に恥ずかしくなってしまった。

頼まれた訳でもないのに口を挟み偉そうに説教した挙げ句
"勘違い"だったんだから。


間違いなく失礼で
先生に申し訳ない。



「他に何か質問は?」


「…いえ、何もございません」



気まずすぎて
先生の顔が見れない。

"放っておきたくない"とか
ただのあたしの自己満で
結局『嫌いになるな』だなんて説教して…


自分の事からは逃げてて
溝があるのはあたし自身なのに…


そんな自分の事は棚にあげて
何してんだろ。


あたし
最低だよ…。



「…咲桜ちゃん」



俯いたままのあたしに
先生は小さく呼び掛けた。



「はい…」



顔をあげると
先生は優しく微笑みながら
また小さく呟いた…



「ありがとう」


「…どうしてお礼なんて…」


「椿との事、心配してくれてたから…。」


「先生…」


「椿とは、ちゃんと話するよ。2人がもう不安にならないように、ね?」


「はい…ありがとうございます」



結局いつも
先生の優しさで助けてもらってる気がするな…。




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