悪魔的ドクター
「夜中、寝言で俺に『助けて』って言ってたから…」



先生の言葉に
あたしはまた"ある事"が
頭を過った。


『一晩中、一緒にいた…?』


本当にまさか
"そういう関係"なの…?



立ち聞きなんてするつもりはなかったけど、どうしても気になってしまい、そっと耳を澄ませ2人の会話を聞いた。



「"助けて"なんて言ったんだ…」


「何かあったのか?」


「話したら…助けてくれる?」


「…俺に出来る事ならな」



先生…
元婚約者を助けるの…?

先生の性格なら
放っておけないんだろうけど…


関わらないでほしいよ。



そんなあたしの気持ちとは裏腹に2人の会話は徐々に深くなっていく。



「ねぇ翔灯?」


「あ?」


「だったらさ。助けると思って、私と結婚して…?」


「え?」



聞こえてきた白石さんからの
逆プロポーズ。


"結婚して"って…
どうしてプロポーズなんか…


もともとは
白石さんが先生の前から姿を消したのに、なぜ?


更にわからない事が増え
それに比例し
『聞かない方がいい』って
あたしの中の"何か"が囁く。




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