Best Love



不意に、人の声が聞こえてきた。


「あーあ、もうみんな戻ってきちゃったんだね。」


桜川さんがそう言って立ち上がった。


「え、あの・・・・」


私が動揺していると、

「みんなに見られると、ややこしい事になるよ。」

そう言って私の近くに来た。


え・・・・?

じゃあもう話せないの?


やだ・・・・・・・・


「あ、あの・・・・」

このまま終わらせたくない!!


「これ、差し上げます!!」

ボタンを差し出した。


桜川さんがビックリしているのが分かる。

でもーーー


フッ


・・・・え?笑った・・?


「先に言われちゃった。はい、僕のも受け取って。」


桜川さんが私のを受け取ると、青いボタンを私の前に差し出してきた。


私はそれを受け取ると、顔をあげた。


「あ、あの・・・!」

勇気を振り絞って出した言葉

だけど、桜川さんが人差し指を私の唇にあてて止めた。


「人が来る。続きは、また明日ね。」


そう言って、私の横の扉から出て行った。




心臓が、やけにうるさかった。





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