ふたりぼっち


見馴れたバスケットボールが大きな弧を描く。
そして鮮やかにネットに吸い込まれる。

数秒後には、体育館の隅で弾んでいるボールの音とホイッスルの音が混り合っていた。

―試合終了


軽くハイタッチする青ユニフォームは桜木学園高校。
大正時代からある伝統校で文武両道を掲げる名門校だ。

そして、眉を下げ項垂れている赤ユニフォームは我が南西高校だ。
歴史は古いものの、学力においてもスポーツにおいても¨中の中¨または¨中の下¨。まぁなんともパッとしない高校なわけだ。


笑っちゃうよな?
そんな文句ばっかの高校に通ってんなんて…
でも俺はこの高校嫌いじゃないんだ。
矛盾してるのか??

悶々と考えているうちに陽は大分傾いてしまったようだ。柔らかなオレンジの光が俺を包み始めている。



「おっ宮島じゃん!
来てたんか!!」

黒いジャージの袖をたくしあげながら松江が声をかけてきた。
松江とは体育を担当している教師で男バスの顧問も務めている。

…気楽なもんだ

松江はいつもそうだ。
ちゃらんぽらん。
能天気。
可愛い教え子が泣きそうな顔してんのに見向きもせず、ニヤニヤしながら部外者の俺に話しかけてくるようなげんきんな男。

口元を歪めながらも一応会釈をした。俺は生徒だし常識っちゃあ常識だ。


「惨敗っすね?
なんでまた桜学(サクガク)なんかと試合組んだんすか??」


つい思っていたことが口をついて出た。
でもあり得ねえから、桜学100以上点とってるし(笑)

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