【短編】花咲か兄さん【企画】





そりゃあたまにね


どうしようもなく
胸が苦しくなって

ペンとか持てないこともあるよ。



先生の話が
「こんにちは、さようなら」って
右から左に飛んでっちゃうことだって



1ヶ月に一回……


あー……

いや、2週間に一回くらい?
はあったりするけどさ。



それの何がいけないって言うの?
(※おそらくこういう生徒が
学業をおろそかにする為)



「南お待たせー」


私の声に、机に腰掛けながら
携帯でメールを打っていた
南が振り向く。


「ちょっと花、遅いよー。
日誌置きにいくだけで何分
かかってるの?」


南はぷくって
頬を膨らませてみせた。


うわー、私も女だけど
こりゃ可愛いわ。



南が学校中の
アイドルなのも頷ける。



「ごめんってー。
廊下から陸上部が見えてついね」

私は顔の前で手を合わせて謝る。


南は笑って許してくれた。


「はいはい。
みっくんに見惚れちゃってたのね、
ごちそうさま」


「うー、別に
見惚れてたわけじゃないし」



「はいはい。
顔真っ赤にしなくても分かるから。

じゃ、帰りますか」





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