桜
「俺と付き合ってるフリしてくれない?」
「ばっかみたい…。そんなんで見返しになるの?」
「沙織ちゃんにしか頼めないから。」
「あたしを巻き込まないでよ。勝手にやってれば…?」
「おっけぇ♪
なんだか調子のいいやつ。
何考えてんのかわからない。
見返し…、ね。
一人になり、校門を出ようとしたときだった。
学校の駐車場に見覚えのある車がクラクションを2回鳴らした。
「……あいつ…」
車は目の前まできて止まる。