桜
でも無言であんなペースじゃきついでしょ。
俺は見兼ねてその娘の隣に移る。
「あのさ、」
呑みすぎると大変だよ?
そう言おうとしたのに…
彼女が振り返ってきつく睨まれたことで
俺の体は一瞬動かなくなってしまったんだ。
「あ、いや、…大丈夫?お酒強いのかなぁって…あはは」
そういうと無表情のまま、
『………平気』
そう返ってきた。
意外だった。
あんな目で睨んだくせに質問には答えてくれるんだな。
「これずいぶん強いお酒だよ?平気だとおもってても…」
『はは…』
彼女は無表情のまま笑った。