緋い龍 NO.Ⅰ
「ねぇ。
彼女、一人?」
虚ろな目のまま、声がした方に
目線を向ける。
そこに立っていたのは
ニヤニヤしている、三人程の男。
うっとーしいんだよ。
何話かけてんだよ?
うぜーよ。
「ねぇ。
彼氏に約束すっぽかされたんでしょ?」
「......」
「俺らと行こうよ」
「......」
「俺ら優しいよ?」
「......」
「ほらほら、行こう」
「......」
なあ、気持ち悪ィんだけど?
けど、男達はわたしが何も言わない事を
いいことにして、
暗い所に連れ込もうとする。