いいから私の婿になれ
関西男児の別の顔
翌朝。

「ん…」

黎児は嗅ぎ慣れない香りで目を覚ます。

甘酸っぱい爽やかな香り。

ゆっくりと目を開けると。

「お目覚めですか?ご主人様。おはようございます」

エリアルがエプロンドレス姿でベッドのそばに立っていた。

手にはソーサーに載せられたティーカップ。

「モーニングティーを準備させて頂いておりますが…コーヒーの方がよろしかったですか?」

「いや…いい、貰うよ…有り難う」

まだ寝惚け眼のまま、黎児は体を起こしてエリアルからカップを受け取る。

口まで近づけると、林檎の香りが鼻孔をくすぐる。

アップルティーらしい。

一口含むと、寝起きの体に紅茶が染み渡るようだった。

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