舞い降りた天使と悪魔
ハルクは私の目すら見ない。
ずっと、自分の手の甲を見つめている。
「捨てられてる子猫とかを助けたいと思うだろ?
困ってる人がいたら、手を貸したいと思うだろ?
‥‥‥それは心があるからだ。
俺達悪魔がとうの昔に捨てたな。
‥‥‥‥‥‥だからこそ、ムカつく」
「‥‥‥そんな事、無いよ」
私は、自分の胸に当てられた手を取る。
真っ直ぐハルクを見た。
そのハルクの目は、とても冷たかったけど、とても悲しかった。