恋するマッシュルーム

ズボンは履いているのに、もしかしたらパンツは履いていないかもしれないという奇妙キテレツな事態に、


アタマがますます痛くなるのを感じながら唖然としたままつっ立っていると、


なかなかバスルームに行かない私に業を煮やしたのか、後ろを向いているキノコが、



『風呂は部屋を出て右だ。』



と、そっけなく言った。



目の前には背中を向けたキノコ、そして私の手の中にはキノパン。


どう考えても、今は風呂に行くしかないと思った。



と、とりあえず風呂に行こうっ!


そして1回確認しよう!


いや2、3回は確認しとくべきかもしんない!


とにかくヤバイヤバイヤバイしか脳内に単語が浮かんで来ず、手にパンツを握りしめたまま、私はバスルームへと急いだ。


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