恋するマッシュルーム

「コーヘー、喉渇いた、お腹空いた。」



お腹が空き過ぎるとますます腹が立って来る。


さっきの弱気な私は、空腹による苛立ちによって、早速どこかに消えていた。



『テメェ、誰に向かって口聞いてんだ。』



オメーだよ毒キノコ!
こっそり指さしてやる。


そうなのです、空腹は人格を変えるのです。



「コーヒーなんか飲んでる毒キノコに言ってますけど?」



ギロリンと睨まれるも今は全然怖くない。


それよりも空腹感にイライラが募る。


自分だけ朝ご飯食べて優雅にコーヒーを飲んでいる、気の利かない毒キノコにもの凄く腹が立つ。



「コーヘーお腹空い……ウガッ!!!」



更に輪をかけてコーヘーに文句を言ってやろうとしたのに、


コーヘーの野郎は、


食べかけのサンドイッチをおもむろに私の口に突っ込んで来やがった!



『コレでも食ってろ。』



ウガッ!
イキナリ何すんだ冷血ヤローッ!!

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