恋するマッシュルーム

下へと下がる指先は、無情にも胸元へと辿り着いた。



『胸にも、腹にも、太ももにも付けた。』



そっと肌をなぞる指先は、まるで獲物をいたぶる獣のようで、


いつも勝手で冷血なコーヘーが、本気を出すと手が付けられないのだと、初めて思い知らされた。


そして、ジーパンの上からそっとキスマークの跡をなぞられた時、


私の頭には咄嗟にキノコ型の赤い斑点が浮かんだ。


そうだ…


クッキリとキノコ型した斑点が太ももに1つだけあったんだ。


あの気持ち悪いキノコマークは何?!


アレだけはちゃんと確認しとかねばならん!



「ちょっと!太ももにキノコ型したアトがあったんだけど、アレは何!?」



あんな変な形のアトは見たことが無い。


というかキスマーク自体今の今まで見たことも付けられた事も無かったんだけれど!


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