わたしとあなたのありのまま


 お昼休みに教室へ戻った。

 ずっと保健室のベッドで寝ていたかったけれど、この空腹に打ち勝つだけの忍耐力が私にはなかった。


 教室へ入るなり、綾子が気付いて飛んで来た。
 何故だかついでに山田まで。


「大丈夫なの? ほのか」

 心配そうに私の顔を覗き込んで綾子が聞く。

「うん、もう平気」

 答えると、山田が横から割り込んできた。

「どうよ!? 秋山。
 あの田所にお姫様抱っこされた感想は?」

 茶化すように、面白がって言う。


「どうよ!? って聞かれても……
 直後のことは覚えてないからさ」

 我ながら、随分白々しいとは思うも、ここで認めたら、とてつもなく面倒な質問責めにあうのは間違いないもんね。


「へぇ、そら残念だったな」

 言葉とは裏腹に、山田はニヤニヤしながら言った。


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