たった一人…。



彼が目を覚ました。


とっさに、涙を隠す。




「おはよう。」


「うん。ごめん。」


「先生が、点滴が終わって落ち着いたら帰っていいからって。」


「うん…。ごめん。」





それからは二人の間に会話はなかった。






病院を後にした私達は車の中でも会話はなかった…




そのまま営業所に戻った二人は、会話のないまま別れた。




終わった…。

本当に終わりだ。



もう彼の側には居られない…。


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