小指心

楽しい再会

私はケンカの思い出でいっぱいの校庭に行った。
あー、あの先輩に会うのも久しぶりだなー。

ガシャンッ



「一馬っ!」




私は走っていたせいでフェンスに思いっきりぶつかった。
だって、一馬のことしか考えられないから。

大声で一馬の名を叫ぶ。


 小指心
  楽しい再会
 

サッカー部員たち、それに一馬も私の方に振り向いた。


「・・・っ梓!」


せっかく私が頑張ってやったみつあみを取り、私はいつものお団子に変えた。
もうフェンスから一馬のところに行こうかなぁ?

でも、私は遠いドアまで走っていくことにした。

「ちょ、一馬っ!そこで待ってて、私あっちからそこまで行くからっ!」

「・・・」

一馬は手に持っていたサッカーボールを落として、私と同じ速度で走った。

私達は横に並んで一緒に走っている。

「え、おいっ!待てっ!一馬っ!!」

先輩達が一馬を呼ぶ。

「あのさぁ一馬っ!」

「なんだぁっ!」

私は息を整えて、始めた。


「一馬っ!!あのねっ!」


言いたい、どうしても。
一馬にこの気持ちを言いたいんだ。


「私っ、一馬と南朋が付き合ったって平気だよっ!?」


「あ、梓っ!」


「だってもし、今みたいにっ!私と一馬が離れたって心は離れないっ!!」


言うんだ。


「信じてるっ!!いつまでも、南朋がこの気持ちに気付くまでっ!!待つよっ!!」
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