小指心
「俺だって全然、飛鳥が好きだし。あんな先輩、どうだって良い」

「・・・でも」

「ただ俺、ヤキモチ焼いてたんだ。すごく」

竹くんは急に私と視線をズラした。
・・・いつのまにか顔が耳まで真っ赤になっている。

「俺・・・その先輩に飛鳥を取られちゃうんじゃないかと思って、すごくそれが嫌で・・・」

「竹くん・・・(キュゥン)」←良く少女漫画でありがちな効果音

―――――――――――

いや、もう本当にそろそろココから出たいんですけど。
でもまだ飛鳥、頑張って話し合ってるんだろうなぁ・・・
ま、もうちょっと待ってやるか。

―――――――――――



その頃、二人はというと・・・



「もう竹くんったらぁっ、はいあ〜ん(ハート)」

「あ〜ん♪」

「どう?おいち?」

「うんっ、おいちっ♪」


バカップル丸出しであった。


―――――――――――

そろそろ出るかぁ。


ガチャッ

私はなるべくゆっくりリビングまで歩いて行った。

「あ〜ん♪」

・・・その必要はなかったみたい。

「飛鳥ぁ・・・帰るよ・・・(怒)」

「えぇ〜?もぉう?」

「うん、『もぉう』」

「私寂しいから、竹くんの家にお泊まりするっ!ね〜♪」

・・・その語尾に『♪』をつけるのは止めてくれ。
なんだよ、人が親切にトイレでずっっっっっと待ってたのに・・・
お前ら二人はバカップルぶっ通しかい(うらやましい)。

「駄目っ!!早く帰るよっ!!どうせまた明日会えるでしょうがっ!!」

「え〜ん!お姉ちゃんの意地悪~!」

誰だお前。
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