孤高の天使



きっと私が怯えたのだとラファエルは感じたのだろう。


じ、自業自得よ……

だってラファエルは出逢って間もない私にく、口づけしたんだから。



唇に押し当てられた感触を思い出して顔を赤くする。

異性に触れられることも初めてなら、口づけをされるのも初めてだった。

顔も名前も知らない人から「愛している」と言われ口づけをされたのだから、そんな態度をとったとしてもおかしくはない。



そうよ…私は悪くない。

そう思うのだけど、ラファエルの傷ついた表情を見た瞬間ズキンと胸の奥底が痛んだ。

これじゃなんだか拒絶した私の方が悪いみたいじゃない。

何故かばつの悪い心地になっていると……




フワリ……―――――


ラファエルの大きな手が私の頭にかかる。

私が怯えも拒絶も見せなかったことに、ラファエルは明らかにほっとした表情を見せ、ゆっくりと髪を梳く。




「安心して休みなさい。朝起きた時には聖力も回復しているだろう。」


規則正しく頭を撫でる大きな手。

その心地よさに意識がまどろむ。






これからどうしよう……


天界にはもう帰れないのかしら。

でも、天界へ戻るには聖力を取り戻してからね……

今は休むしかない。

天界へ帰る方法はそれからよ……




そうして私はいつの間にか意識を手放した。



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