6 L O V E .
「雅、好きって言って」
「え・・・?」
波のせいで、小さくしか聞こえなかった榊さんの声。
「好き」って言ったら、終わる。そう悟った。
きっと榊さんは答えを、くれるつもりなんでしょ?
「・・・好きです、榊さんのことが」
涙は抑えられなかった。だけど、あたしは笑った。
寒そうに、手を温めていた榊さんが、
濡れた瞳でこちらを見た。
息が止まりそうになるくらい、綺麗だった。
「俺の名前、呼んで」