6 L O V E .


俺はめんどくさくなって、三人に背を向けた。



「ちょっと待ちなさいよっ」


「おい、聡!」




「待ってください!」



俺のコートを掴んだのは、あいつだった。



「なんだよ」



「帰るなら、私が帰ります・・・」




振り向いて見た、あいつの肩は小刻みに震えていた。


ちっさ・・・。


俺より20cmくらい下にある彼女の顔は今にも泣き出しそうだった。




いつも笑顔のあいつの初めて見た表情だった。



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