6 L O V E .



 「ありがと。…すごい楽になった」


 数分経つと、いつもの榊さんに戻っていた。榊さんは「送る」とだけ言って、車へと歩き出した。






 「ほんと、飽きねえ…」



 榊さんが何か言った気がしたけど、波の音でかき消されてあたしには聞こえなかった。





 帰り際に、車から降りようとしたらおでこにキスをされた。あたしは榊さんにフラれるもんだと思っていたのに…ずるい。


 あたしの気持ちを手放してはくれないんだ…。


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