S的？彼氏の思うコト ～平畠 慎太郎side story～

アイツの言動の心理を知りたい。
それは、悔しいかな事実だ。

ただ、それが何故なのかも分からないのだ。

『好きな子でも出来たか？』

柊の言葉が頭の中で木霊する。

(俺がアイツを...好き？)

間抜けな笑顔が目に浮かぶ。


俺は、女性経験はそれなりにある。

ただ、大体が告白されて始まり、『他に好きな人が出来たの』とか『あなたの事が分からない』とか言う理由でフられて終わる。
だからと言って、『別れないでくれ』と、後を追い掛ける事も全く無かった。

恋愛にのめり込み、その他が疎かになる事はまず無い。
感情的になられたり、自分のペースを乱されるは一番苦手だ。

なのに...。


「何故だ。」

よりによって、俺のペースはアイツに乱されている。

(そんな訳無い。)

俺は、頭を抱え込んだ。