目に見えるもの、見えないもの
浮き輪
日本は今大学入試の真っ最中。

一体、何のために勉強するのだろう。
人のため?
自分のため?
社会のため?

何のために大学に入る勉強を頑張ってきたんだろう。
入った途端解らなくなる。
目的を一気に失う。一瞬にして失う。
自分を慰めるように目的を探してみる。

ただ、大学に入った、卒業した証だけがほしくて、肩書のためだけに?
それってなんのため?
誰がそれを求めてるの?
自分?
親?
先生?
社会?俗にいう世間体?

肩書がないといけないか?
肩書がないとみんな必要としてくれないのか?

自分の本質を見てほしいって言ってもなかなか見抜ける人間がいない。
だから肩書に重きを置く社会なのだろうか。
いや、他人の本質なんか見抜こうとしても見抜けない、だから見抜こうともしないんだ。
自分の本質さえも常に曖昧ないのだから。

じゃあ肩書にしがみつかなくては。
不安で手も離せない。
その心理を利用されて、いつの間にか社会の操り人形になってゆく。

何のため?
誰のため?
どうして?
目的を見つけては失いの繰り返し。

あらゆる技術を駆使しても解決できない謎。
明確な目的を常に持ち続けられる人は、
この世の中に何人存在するんだろう?
試験問題にも登場しない、
人間が説き続けなければならない問題の、きっとひとつ。


出来ることなら、
肩書から手を放し、
人間社会の海に漂い、
放浪するように生き、
ゆっくりと沈みながら、
海底の砂になりたい。
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