君との関係
1 あの頃には
懐かしい夢を見た。どんな夢だったのかは所々覚えてはいないけれど、夢を見ている間はとても温かい気持ちになれた。

誰かの手が私の右手を掴んで何処までも走る夢。

だけど、その手の持ち主と目的地が思い出せない。いや、思い出せない訳じゃなく思い出さない様にしているだけかもしれない。

あの頃と違って私の右側は風が通り抜けて行く。

それが酷く寂しく思える。
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