恋愛LEVEL


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奏はなんとか、近所の志望校に合格した。



…俺はダメだ…とか、
…浪人決定だ…とか言ってたくせに、合格した途端、

「さすが俺♪」
「受かって当然♪」…とか言ってるし。




…奏がこの学校を卒業しちゃうんだ…


…大学生になっちゃうんだ…


急に淋しくなってきちゃう…


卒業式の練習を重ねていくうちに《奏が卒業》って、リアルに感じてきていた。




2年前…


あたしは、雷太と別々の高校に進学した…

その時と同じ不安な気持ちになっていった。




離れたら…


また別れちゃう…?



大学生って…


高校生よりずっとずっと大人だもんね。


あたしなんか…


奏の中から消えちゃうかもしれない…





「ユリ…ごめん。あたし、卒業式の練習サボる…」


「あっ!千秋!!」





そのままあたしは、バッグを持って、学校を出た。



正門を出て振り返る。


ここで奏と出会ったんだ…


この学校には桜の木がないんだって奏が教えてくれた…




あたしは携帯をポケットから出して、ピクチャーフォルダーを開く。



…入学式と書かれた看板を携帯で撮ろうとしたら、奏が前を横切って…


フフッ



奏の横顔が写った写真を見ながらあたしは…




…泣いた。




奏がいるのが当たり前だった学校…

4月からは居ないんだ…



「コラ。練習サボって何してんだよ」



振り返ると、奏がいた。



「奏こそ、練習出なくていいの?!」


「あんな練習してるくらいなら、千秋と高校生活楽しんでる方がいい♪」


「奏っ!!」



あたしは、奏の胸で泣いた。


奏はあたしを優しく抱きしめてくれた。


「あたし…不安なの!奏と離れたら…あたしの事忘れちゃうんじゃないか…って…」


「バァァカ!誰がお前忘れるかよ。っつうか、離れねぇし。」


「…うん」


「ずっと一緒だ…」


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