恋愛LEVEL

「あ!長坂さん!」


その長坂さんという人は、色黒スポーツマンな感じのガッシリとした大学生風の人。


「偶然だなぁ♪元気か?」

「はい!みなさんは元気っすか?そろそろ大会も終盤っすね〜」

「おぅ!みんな元気だよ!奏が抜けてから鉄壁の二遊間が崩れちまってさぁ。」

「ハハハハ…でしょうね♪…なんて。」



…話の流れからすると…

長坂さんは、奏がいた野球チームの人…かな?


あたしは、奏と長坂さんの顔を交互に見た。



それに気付いた、長坂さんがあたしを見た。


「…彼女?」

「あ、はい。今半同棲中の彼女です。」

奏はあたしを紹介してくれた。


「こんにちは。」
あたしは、ペコッと頭を下げた。



長坂さんは、あたしに微笑んでから、

「奏よかったな!こんな可愛い彼女が出来て。
色々あったからな…お前…」

と言った。


…色々…?


この間、奏も言ってたよね。


色々あって…野球チームを辞めたって。



「あぁ…長坂さん、もうその話は…」

奏はバツが悪そうに言った。


「あ…わりぃ。そうだな。」


長坂さんは、チラっとあたしを見た。



やっぱり。

野球チームを辞めた理由…

あの写真の人が絡んでるんじゃないかな…


そんな予感がした。




長坂さんは、

「んじゃ、またたまにはグランドに顔出せよ?」

と言ってあたしたちと別れた。



ものすごく…


気持ち悪い。



知りたい事を知りかけてるのに、ハッキリとはわからない状態…


聞きたいけど、聞いたら絶対凹む。



俯いて考えていたら、奏が話し始めた。
< 52 / 104 >

この作品をシェア

pagetop