課長さんはイジワル
第243話 回るお寿司
会社のオープンに向けて、社員も増え、みんなのテンションも上がってくる。

システムのチェックも最終段階に入り、各部署にもエキスパートが入ってくれたお陰で業務がスムーズに回っている。

私も佐久間主任も、それから課長も来週のプレス発表を最後の仕事に、全てを現地採用スタッフに任せて、またNYに戻る。


実のところ、もう実質する仕事もない。

本当は、チョーひま。

でも、仕事するフリしなきゃだよん。


私が今までの書類のファイリングをしていると佐久間主任が、「ちょっと、杉原君」と言いながらクイクイと人差し指で私を呼ぶ。


「どうしました?」

「今日、飲み会があるんだけど、行かない?」

「私がですか?」

「1~2時間ほど」

「え~~~。私、歌、下手なんですよね~」

「……何、歌う気満々になってんだよ。お前のジャイアンショーなんて、誰も聞きたくないんだけど」

「接待カラオケとかじゃないんですか?」

「回らない寿司屋で食事」

「絶対に行きます!!!」

「食いモンが絡むと、相変わらず即決だな」

佐久間主任が呆れ顔で、黒手帳に何か書き込む。

「じゃ、7時に。会社のエントランスで」

「了解です!」


……でも、はてな?

飲み会って誰と?

そんな予定、入ってたっけ?

う~ん。。。

ま、いっか、美味しい食事が食べれれば♪

このとき、私の頭の中では、回らないはずのお寿司屋さんのお寿司が、能天気にクルクル回っていた。





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