課長さんはイジワル
第249話 薄汚れた血
「課長、ネクタイ、曲がってます」
「えっ?……ああ」
「ちょっと待ってくださいね」
ちょこちょことネクタイを直す。
課長……。
やっぱり何かあったんだ。
息が震えている。
こんな課長見るの……初めてだ。
「課長、話してください。何か、ありましたよ、ね?」
課長の手を握り、見上げる。
課長の手が震えてる。
課長が私の手を解くと、そっと私を抱きしめる。
「……親父が……もう持たないらしい。俺の名前を呼んでいると、さっきおふくろから……」
「課長!だったら、行かないと!」
「もう……遅いんだよ。あの事件以来、10年以上、親父には会ってない。
どの道、俺は親父の血を分けた本当の子供じゃない。それに、俺の血は……薄汚れてる……」
課長の私を抱きしめる体が震えていた。
「えっ?……ああ」
「ちょっと待ってくださいね」
ちょこちょことネクタイを直す。
課長……。
やっぱり何かあったんだ。
息が震えている。
こんな課長見るの……初めてだ。
「課長、話してください。何か、ありましたよ、ね?」
課長の手を握り、見上げる。
課長の手が震えてる。
課長が私の手を解くと、そっと私を抱きしめる。
「……親父が……もう持たないらしい。俺の名前を呼んでいると、さっきおふくろから……」
「課長!だったら、行かないと!」
「もう……遅いんだよ。あの事件以来、10年以上、親父には会ってない。
どの道、俺は親父の血を分けた本当の子供じゃない。それに、俺の血は……薄汚れてる……」
課長の私を抱きしめる体が震えていた。