課長さんはイジワル
第34話 課長が気になるぞ
あまりにも親密な課長の行動に、私の心臓はドンパパ、ドンパパの乱れ打ち。

なのに、課長は何でもない事みたいに、平然と食事を口に運んでる。

そう。

さっきのこともなんでもないことみたいに……。

ああ……

そっか。

そう言えば、さっき、課長、言ったよね。


私のこと、『小学生か』って。


はははっ……

だったら、課長にしてみたら私なんて完全に恋愛対象外じゃん。


別にさ。
私だって課長のこと、好きでも何でもないわけで。

女扱いされていない以前に、子供扱いなわけで。



別にそれだけなわけで。



…………なのに、なんで、そのことがこんなに悲しいの?

やだ。

しかも、涙がじんわり出てきそうになるのはなんで?


「ここの朝食もそれなりにおいしいが」


突然、課長の口から出て来た言葉に、ぎゅっと目を瞑って涙を押し込め顔を上げる。


「この間食べたお前の作った弁当の方が、おいしかったな」

「課長……」

「また作って来いよ。この前は、作って来るな、なんて言って悪かったな」


課長の優しい笑顔に思わず涙が零れ落ちてしまいそうになって、顔が歪んでしまう。

ずるいよ、課長。

人のこと地獄に突き落としたり、天国に持ち上げたり。

やっぱ、課長は鬼だよ。

天然に乙女ゴコロをもてあそぶとんでもないヤツだよ。


だけど……

だけど……


「どうした?杉原」


だけど、そんな課長のこと、なんだか気になってしまうのはなぜなんだろう?


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