MESSAGE2
リミット
俊は今日一日歩き、走り、隠れで憔悴(しょうすい)しきって来た


思考回路は鈍り、疲れて目が重い


俊をつき動かす原動力は、奈津を助けたい


それ一心だった


しかし気持ちとは裏腹に体のかってが利かない


どんより暗くなった外をさまよった末、町から少し外れた森に身を潜めた


少し中に進んだ辺りで立ち止まり、湿った土の上に寝そべった


空を見上げると1番星がぽつんと光っていた
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