100のお話

2.ぱくぱく

2.ぱくぱく

いつもなら白い綿が降っているのですが…

今日の空は真っ白な雲が覆っています

こんな天気になるとお店には妖精達がたくさんやって来るのです

妖精達は紅茶を注文して
それぞれ自由な時間を過ごしています

すると……
かららん♪と扉の開く音がして
女の子が入ってきました

女の子はカウンター席に座り……
「いつもの下さい♪」と注文しています

注文を聞いてから作り出す紅茶の匂いで、お店の中がいっぱいになります

フライパンに桜の香りのするバターを入れて溶かします
ジューと言う音がして、ほんのり桜の香りが広がります
生地を流し入れて表面に穴が開いてくるまで待っています
その間に紅茶を温めたカップに注ぎミルクを添えて女の子に渡します
女の子は満面の笑顔で“ありがとう”とお辞儀をしています

生地に穴が開いてきたので裏返しにして蓋をして蒸していきます
蓋を開けると……
ふっくらとしたパンケーキの出来上がり♪
皿にのせてホイップクリームを添えて女の子に渡します

女の子はいつものように満面の笑みを浮かべながら、ぱくぱくと美味しそうにパンケーキを食べています

そんな女の子の嬉しそうな笑顔を見ていると……

自然と笑みがこぼれてしまいます

おわり

2007/06/10
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