100のお話

23.しくしく

しくしく…しくしく…

しくしく…しくしく…

…?

暗闇の中…音がする…

これはなんの音…

誰か泣いてるの…

バタンッ

誰かが部屋の中に入ってきたみたい…

ガバッ
とふとんを剥がされた…
(うわーっ寒い…)

「ユリナッ何時まで寝てるつもりなの…」

とても暖かく居心地が良かった暖かなふとんを剥がされ

仕方なく少女は起きる…

「ヒロお兄ちゃん、ひどいよ~」

少女は今にも泣きそうな顔をしながら…

どんなに心地よい眠りだったかを話した…

「だから…おふとん返して~♪」
と兄に笑顔で言ってみる…

「ダメッ 返したら絶対寝るから…」
即答で断られ…

「うう…わかった起きるよ…」
ベットから降りる

窓の外をみると…

雨が降っていた…

窓の近くまでいき
空をみると…

「なんだか…空が泣いてるみたい…」

部屋を出ようとしていたヒロは振り返り…
「ユリナ…なんか言った?」

「ううん…なんでもない…」
二人は部屋を出て行く…

そこから遠く離れた雲の上…

『また…泣いているの…』
少女は泣いている女の子に近づき頭をなでる…

『だって…雲の下にいる人達はみんな雨が嫌いなんだよ…』
そう言って女の子はまた泣くのでした…

おわり

2007/01/04
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