あなた誰
出会い
彼が亡くなって一年…。
今日は快晴だ。

「もう一年か…。一年前もこんなに晴れてたな~。」
彼女はそんな事を言いながら花を持って歩いていた。

「拓也!また来ちゃった。今日でもう一年だね。今日もすごい晴れてるよ。このお花綺麗だから買ってきちゃったの。」

彼女はそんな事を言いながらお花を置いた。

「拓也。今からあの公園に行こうか?」
拓也なんてもう居ないのに彼女はそんな事を呟いていたのだ。
彼女は歩き出しある公園にたどり着いた。
『どんぐり公園』だ。

ブランコに座り空を見ていた。「拓也。ここ良く来たよね。お金ないからって公園来てブランコ乗って語ったよね。本当に楽しかったね。まだこんなことしたかったのに…。何で彼なの?拓也帰ってきてよ…あの笑顔また見せてよ…」
彼女はブランコを強く握り泣いていた…。


するとある人が通りかかった。普段あんまり人気ない公園に何で人が居るんだろうと思っていた。
彼は私に近づいてくる。
少し怖くなって逃げようか迷った。
でも彼の顔が見えて私は驚いたのだ。
「た、、拓也?」
「え?拓也?俺違いますけど…。もしかして待ち合わせですか?」
「…違います…」

あまりにも彼が拓也に似ていた。もう拓也は死んだのに私どうかしてる…。

「どうかしましたか?泣いていたみたいですが。」
彼は私が泣いている姿見てしまったらしい。
「…大丈夫です。」
「でもあなた凄く悲しい目をしてる。俺凄く気になるタイプだからさ(笑)良かったら話聞くよ。」

全く知らないあんたに何で私が相談するのよなんて思いながら私は無視していた。

「知ってる人って話しにくい事結構あるよね?
何回も同じ事で悩んでると相談しにくいし相談乗って貰っても落ちたままだと落ち込んでる側も気を遣わないといけない。
なら知らない人ならそんなこともないと思わない?
一度切りだし気を遣わないで良いしね。俺だって抱えてる物はあるし誰にだってあるんだよ。
でも話せないことって一番きついじゃん?
だからどうかなって…。」

何か凄く優しいし親身になってくれる。しかも彼を見ていると拓也が帰ってきた気分になれた。

「…じゃあ少しだけ聞いて貰えますか?」

男性に今まで会った事を話した。

「実は…。」

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