華〜ハナ〜Ⅱ【完】




「もう…止めて。手がボロボロじゃない…」

「………侑希?」

「ええ。…落ち着いて?」




結都の袖口を掴み、腕の自由が利かないようにする。




「なんで…ここに?」

「いいでしょう、別に。」





「侑希ちゃん?」



…………ヤバい。


とっても冷たくて、低い――


嘉の声。




「なんでここにいるのかな?」




きっと、真っ黒な笑みを浮かべているんだろう。



私は振り向けなかった。





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