華〜ハナ〜Ⅱ【完】



ビクッと体が振るえる。


そんな私を見て彼は片方の口角を上げた。





「…えらく美人な姫さんがいるじゃねえか。」



なんと言い表せばいいか分からないくらいに、心臓が暴れている。


ああ、明るい場所で彼を見たのはいつぶりだろう。




「…侑希、」





蓮士の声が耳に届いたけれど、動けない。







まっすぐすぎる“暁斗さん”の視線は私を固まったまま動けなくさせた。






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