群青



僕。【神奈川 夏樹】には幼なじみの女の子がいる。


その女の子は別段。普通を自負し、周囲も普遍的な女の子だと認知している。


そこに生じる誤差はほぼない。


その女の子。


名前は【八幡 南】と言うのだけど、その子は昔から困った事があると僕を頼る癖があった。


小学校の頃は近所の悪ガキにお人形を取られた。とか親に叱られたから一緒にいてほしいとか、そんな他愛のないお願い。


今は昔、既にセピア色の思い出は振り返るとそんなに悪くない。


可愛らしい時代だった。


ちなみに彼女。南はその困った事があると必ず僕のことをこう呼ぶのだ。


「夏くん」、と。


そんな何かしらのトラブルに巻き込まれてばかりの呼び名を呼ばれたのは果たして何年振りの事だろう。


僕が振り返るとそこには当然、彼女がいた。


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